賃貸オフィスコラム
オフィスがいらない?在宅勤務で変化する新宿の高層ビル
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大に伴い、私たちの働き方も変化しています。特にオフィスワークで見られた顕著な変化については、新宿賃貸事務所.comの賃貸オフィスコラムにおいても、過去に解説しております(オフィスがいらない?新型コロナウイルス感染症対策で見えてきた「新しいオフィスワーク」)。
では実際、日本有数の高層ビル群が立ち並ぶ新宿エリアでは、どういった変化が起こっているのでしょうか?
大手企業も推奨する「在宅勤務」の効果

新型コロナウイルス感染の第3波とも言われるようになった昨今では、大手企業からも「在宅勤務(テレワーク)」が推奨されるようになり、わざわざオフィスに出社して仕事をする、これまでの働き方が変わってきています。
在宅勤務のみならず、社員の出勤日・時間をずらすローテーション勤務などの波及に伴い、広大なオフィスを構える必要性が低下してきました。企業によっても、拠点の分散化や縮小で、これまで入居していた高層ビルからの移転を行っているケースや、感染収束後(アフターコロナ)にも新しい生活様式に根ざした新たなスタイルのオフィスを作っていくケースなどがあります。
大手企業からも、拠点の分散化やオフィスの専有面積縮小の動きが見られており、その結果、日本有数の高層ビル群が立ち並ぶ新宿エリアでは、オフィスビルである異変が起きています。
超高層ビルでも空室率上昇、埋まらないテナント

※新宿アイランド公式ホームページより引用
新宿の大規模なオフィスビルに入居する大手企業の中では、移転や撤退といった特段大きな動きはありません。しかしながら、コロナ禍による業績悪化に伴い、中小企業を中心にオフィスの移転が目立ち、結果として空室率の上昇に繋がっており、新宿駅西口や東京都庁の周辺に立ち並ぶ超高層ビルも例外ではありません。
2020年8月現在、新宿駅西口にある新宿エルタワーでは約200坪、西新宿の新宿三井ビルでは約250坪、同じく西新宿の新宿野村ビルでは約300坪、東京都庁に程近い新宿NSビルでは約460坪の空室が発生しています。また、健康食品・美容メーカーの本社が虎ノ門へ移転してしまうなどで、西新宿にある新宿アイランドタワーでは、約1,320坪の空室が発生してしまっています。
新宿近辺などのオフィスビル街ですと、通常であれば空室が発生しても、他の企業のテナントが入居することが常でしたが、今回のコロナ禍によって、企業の業績が悪化、オフィスの分散化・統合などによる移転が相次ぎ、発生した空室がなかなか埋まらない状況となっています。
新宿よりも顕著な渋谷
新宿以上に高層ビルの空室率が目立つのが、渋谷です。昨今の駅前再開発に伴い、再整備された超高層ビルに、IT企業などが挙って入居するようになっていました。
ところがコロナ禍によるオフィスの移転は渋谷も例外ではなく、中には大手企業からもオフィスを移転した例があります。
サイバーエージェントグループの移転に伴い、移転先の1つである渋谷スクランブルスクエアがほぼ満室状態の一方、移転元だった渋谷マークシティでは約1000坪の空きが発生。飯田橋の本社へ拠点を移すKDDIの移転元だった渋谷ヒカリエでは、推計約2000坪の空きが発生しているものと見られます。
再開発に伴って建設され、今年竣工を迎えていた中高層ビルでも、フロアが埋まっていない状況が続いており、今後賃料の値下げが発生する可能性があります。
今後の眺望
新型コロナウイルス感染拡大の第3波を迎えているともいわれている今日の日本。東京都内では、連日500人前後の新規感染者が報告され、再び飲食店への時短営業要請がされるなど、依然厳しい状況が続いています。
中小企業では業績の悪化が顕著にみられ、拠点の分散化・統合、縮小によるオフィスの移転が今後も行われ、高層ビルの空室率の上昇は今後も拡大していくとみられます。
新宿の高層ビルに入居する大手企業では大きな動きは見られませんが、今後も業績の伸び悩みが起こると、渋谷同様に拠点整理を行う企業が現れるかもしれません。
一方、長年賃料の高止まりが続いていた高層オフィスビルにおいて、賃料の値下げの動きが活発になる可能性も高まっており、この点も含め、今後のオフィスビル業界の動向に注目してまいります。
賃貸オフィスコラムでは、その他オフィス選びの際の注意すべき点などについて掲載しておりますので、下のリンクから是非ご覧ください。
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