不動産用語集
不動産取引・契約・法律関連など
- 敷金
- 敷金とは、借主の債務を担保するために、無利息で預け入れる金銭のことです。
つまり、借主の賃料の不払いなどの債務を担保するため、契約時に貸主が借主より預かるお金のことです。賃料の改定と連動して敷金が加減する場合があります。
契約終了時に債権債務を精算して、賃貸借契約書に定められた期間内に敷金は借主に返還されます。 - 保証金
- 現在では、敷金と同様に扱われるのが一般的です。
一説によると保証金のもとは、「建築協力金」からきていると言われています。
つまり、貸主がビルの建築などにあたり、借主からお金を借りることです。この場合は、金銭消費貸借契約となり利息がつきます。現在では、建築協力金として扱っている例は、ほとんどありません。 - 礼金
- 部屋や家を借りたりするときに貸主に支払う金銭のことです。保証金や敷金は、契約終了に伴い返還されますが、礼金は返還されません。オフィスの賃貸借では、礼金が無い契約が一般的です。
- 共益費
- 共益費は、賃料の他に毎月定額を支払う管理費用のことです。一般的にはエントランスホールや階段等の「共用部分の清掃費や電気代」、エレベータ等「共用設備の保守点検や管理の費用」、「警備料金」などが共益費の中で賄われます。貸室内の清掃費、光熱費、消耗品費は共益費に含まれないのが一般的です。
- 更新料
- 契約を更新する際に貸主に支払う金銭のことです。一般的に新賃料の1~1.5ヶ月が相場です。
- 償却
- 契約を解約・解除する際に原状回復費用とは別に、貸主が保証金又は敷金より徴収する金銭のことです。保証金の10%分相当額を償却として設定しているケースが多いようです。
- 原状回復
- 貸室を退去する際に、借りたときの元の状態(原状)に修復することです。賃貸住宅と違いオフィスの賃貸では破損個所や造作などにより変更したところを修復するだけではなく壁のクロスやタイルカーペットの張替えなども行うケースが多いようです。一般的には借主が費用を負担します。
- 契約期間
- 賃貸借契約上の契約期間。契約期間は、オフィスは2年、店舗は3年または、2年というのがほとんどです。一般的には賃料改定の目安時期となっています。
- 解約予告
- 賃貸借契約を解約する場合に貸室明け渡しを事前に申し出ることです。6ヶ月前に書面にて通知する契約内容が多いようです。尚、原状回復の期間を解約予告期間内に含むケースが一般的です。
- 一般借家契約
- 従来型契約で契約期間の満了のときに更新が可能です。
- 定期借家契約
- 契約期間の満了を以って契約が終了します。
つまり更新の無い契約です。貸主と借主が双方合意すれば再契約を締結することができます。<定期借家契約のポイント>
- 貸主は書面による契約が必要です(賃貸借契約書でも可)
- 貸主は契約書とは別に書面により定期借家契約の説明を借主に行います。説明がないときは定期借家契約とは認められません。
- 契約条項に契約期間内の中途解約がないことがあります。
- 貸主は契約終了の通知を借主に対し期間満了の1年から6ヶ月前までにしなければ、契約を終了することができません。
- 通知期間内に貸主が通知をしなかった場合は、通知をしてから6ヶ月後に契約は終了します。
- 保証人
- 貸主の債権を保全するために賃貸借契約では借主の連帯保証人をつけることが多いようです。連帯保証人は、賃借人たる法人の社長、親会社の法人保証が一般的です。
<保証人と連帯保証人の違い>
保証人は債務者が債務を履行しない時に、はじめて履行すれば良いのに対し、連帯保証人は債務者(借主)と連帯して債務を負担するため催告の抗弁権及び検索の抗弁権を有しません。
- 手付金
- 契約を実行する保証として借主が貸主に前もって渡す金銭のことです。
なお、借主は渡した手付を放棄して、また、貸主は受け取った手付の倍額を返還することにより、契約を解約する事ができる「解約手付金」が一般的です。
手付金は本契約時に敷金や保証金に充当されるのが一般的です。 - 仮契約
- 予約契約のことです。
- 予約契約
- 賃貸借期間の始期まで期間がある場合、本契約をすることを前もって保証するために結ぶ契約のことです。予約契約書の内容としては、本契約書の中の賃貸条件など重要な部分の説明や、本契約締結前の契約解除や解約について記載されています。また、予約契約時に借主が貸主に支払う金銭は、「手付金」と同じ性質で取り扱うことが多いようです。
- 転貸
- 借主が、第三者に又貸しすることです。
一般的に貸主は転貸を承諾しません。 - 同居
- 借主が、第三者に貸室の一部を使用させることです。
一般的に貸主は同居を承諾しません。但し、借主の子会社など資本関係がきちんとしている場合は承諾するのが一般的です。 - 雛形
- 書類などの、決まった書き方を示した見本のことです。
契約書の雛形により文言の確認を必ず行い、調整する点があれば契約前に解決させておくことが大切です。 - 質権設定
- 借主が金融機関から融資を受けるにあたり、預託金(保証金・敷金)に担保設定をすることです。なお、銀行等が担保設定したとはいえ、貸主の債権が優先されるのが一般的です。
質権設定者 … 借主
質権者 … 融資金融機関
設備・建設など
- ゼネコン
- 総合的に建設業務を請け負える建設会社のことです。いわゆる大手建設会社のことです。
- SRC構造
- 鉄骨鉄筋コンクリート造のこと。 建物の構造で、柱、梁などの主要構造部の構成が鉄骨と鉄筋及びコンクリートのものです。 S(Steel)が鉄骨、R(Reinforced)が鉄筋、C(Concrete)がコンクリートの意味です。
(例)
RC造…鉄筋コンクリート造
S造…鉄骨造 - 基準階
- そのビルの規模をあらわす言葉で一般的には3Fのフロアー面積を基準階と言います。なぜなら1Fはエントランスホールなどがあるため狭く、上層階はセットバックして面積が小さくなっていることがあるためです。
- セットバック
- 斜線制限対策などのために建築物の上層部が下層部に比べて面積が小さくなっている構造のことです。道路幅員の確保のため建築物の外壁を敷地境界線などから後退して建てることもセットバックと言います。
- 居抜き
- 賃貸では前テナントの内装や什器備品及び設備などが付いたまま貸し出すことです。店舗では多くの例を見ますが、オフィスではPL法(製造物責任法)や退去時の原状回復の関係から前テナントの内装を残したまま(居抜き)で新規のテナントに貸すケースはほとんどありません。
- スケルトン(ガラ渡し)
- 壁のクロスや照明及び空調設備などの内装されていない状態のことです。つまりコンクリート打ちっぱなしの状態のことです。尚、内装に関しては借主が負担するのが一般的です。
- フリーアクセスフロア(OAフロア)
- コンピューターや電話の配線などが自由に配線できるように二重構造になっている床のことです。OAフロアーとも言います。フリーアクセスの仕様になっていなくても工事でフリーアクセスを設置することが可能です。その場合、テナント誘致のため貸主負担で設置するケースもよくあります。
- 2ウェイ
- 配線のために床下に2本の配管が縦横に張り巡らしてある構造のことです。
- 3ウェイ
- 配線のために床下に3本の配管が縦横に張り巡らしてある構造のことです。電気・電話・コンピュータ配線に対応しており、通常は取り出し口を増やすことができます。バブル期以前は3ウェイのこともOAフロアーと称していました。
- エントランス
- ビルの玄関のことです。
- アトリウム
- エントランスに「緑、採光、水、音楽」などの付加価値のついた空間を持つ造りのことです。
- セントラル空調
- 熱源機器をできるだけ1箇所に集中させた空調方式のことです。一括して運転するため、使用時間に制限があるなど個別の自由が利かない場合が多いようです。また、一般的に月~金の8:30~18:00の空調ランニングコストは共益費に含まれる場合が多いようです。時間外は空調費用が別途かかる場合が多く、個別空調に比べ割高の場合が多いようです。
- 個別空調(パッケージユニット方式)
- 熱源機器や空調機が複数あり個別に制御ができる空調方式のことです。使用時間に制限がないことが多いようです。一般的に空調費は共益費に含まれません。使用分を電気代など光熱費として支払うことになります。
- 地域冷暖房
- 建物に熱源機器は無く、ある一定の地域に対して熱源機器がひとつの場所のところに設置しており、その地域内の建物に冷房・暖房を供給している空調方式のことです。