賃貸オフィスコラム
2026年最新版 渋谷区のOffice賃貸相場
はじめに

「渋谷で事務所を構えたいが、いくらかかるのか分からない」——そんなご相談を日々いただきます。
渋谷区は、IT・クリエイティブ系の企業が集まり、再開発も続く人気の高いエリアです。
人気が高いということは、それだけ賃料も動きやすいということでもあります。
このコラムでは、2026年9月時点の公開されている市況データをもとに、渋谷区のオフィス相場を「初めて事務所を探す方」にも分かる形で整理しました。
専門用語はできるだけ言い換え、数字はすべて時点を明記しています。
読み終わるころには、ご自身の予算感と物件探しの進め方が、おおよそ見えるようになっているはずです。
1. まず押さえたい、渋谷区の「3つの数字」
2026年9月時点の渋谷区のオフィス相場は、次の3つの数字でほぼ全体像がつかめます。
1つ目は、平均坪単価26,979円です。
「坪」は面積の単位で、1坪=約3.3㎡(畳2枚分くらい)です。
つまり「1坪あたり月々26,979円」という意味で、20坪(約66㎡)の部屋なら月額約54万円が目安になります。
なお、この金額は「共益費」と呼ばれる、エレベーターや共用部の電気代・清掃費などが含まれた数字です。実際の契約では、これに消費税や駐車場代などが加わります。
2つ目は、空室率1.55%です。
空室率は「貸せる面積のうち、今空いている割合」を指します。
0%に近いほど「空きが少なく、借りたくても借りにくい」状態、数字が大きいほど「選びやすい」状態です。
1.55%はかなり低い水準で、良い部屋は早い者勝ちになりやすい状況といえます。
3つ目は、賃料の前年同月比+11.3%です。
1年前の2025年9月は24,248円でしたので、この1年で2,731円上がった計算になります。
渋谷区の賃料は、はっきりと上昇基調にあります。
2. 都心5区の中で見た、渋谷区の位置
相場は「比較」で見ると分かりやすくなります。
東京都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)の2026年9月時点の数値を並べました。
| エリア | 平均空室率 | 平均坪単価 | 坪単価の前年同月比 |
|---|---|---|---|
| 渋谷区 | 1.55% | 26,979円 | +11.3% |
| 千代田区 | 1.15% | 25,524円 | +12.2% | 港区 | 2.02% | 24,040円 | +15.0% | 中央区 | 2.72% | 22,637円 | +17.1% | 新宿区 | 1.86% | 20,833円 | +9.6% | 都心5区平均 | 23,985円/坪 | 2026年9月 | 新宿区より高い | 都心5区の平均空室率 | 1.85% | 23,985円 | 23,985円 |
(2026年9月時点/募集賃料・共益費込みの平均値)
この表から読み取れることは2つあります。
ひとつは、渋谷区の賃料は5区の中で最も高いということです。
5区平均23,985円に対して、渋谷区は26,979円。1坪あたり約3,000円、20坪なら月6万円ほどの差になります。
もうひとつは、空室率は5区の中で2番目に低いということです。
賃料が高いのに空室が少ない——これは「高くても借りたい人が多い街」だということを示しています。
実際、渋谷区の空室率は2025年9月の2.09%から1年で0.54ポイント下がりました。一方で足元では、2026年7月の1.11%を底に、8月1.44%、9月1.55%と2カ月続けて上がっています。
新築ビルの竣工が続いている影響で、選択肢は少しずつ増えている状況です。
3. この1年、渋谷区の相場はどう動いたか
| 時点 | 平均坪単価 | 空室率 | 20坪の月額目安 |
|---|---|---|---|
| 2025年9月 | 24,248円 | 2.09% | 約485,000円 |
| 2025年12月 | 24,527円 | 1.82% | 約491,000円 | 2026年3月 | 25,047円 | 1.27% | 約515,000円 | 2026年6月 | 25,765円 | 1.11% | +17.1% | 2026年9月 | 26,979円 | 1.55% | 約540,000円 |
(各時点の募集賃料・共益費込みの平均値をもとにした試算。20坪=約66㎡)
坪単価は12カ月間、ほぼ一貫して右肩上がりです。
特に2026年6月から9月の3カ月で1,214円(約4.7%)上がっており、上昇のペースはむしろ速まっています。
空室率は春先にかけて1.27%まで下がり、夏に1.11%まで締まりました。その後、9月に1.55%へ戻しています。
「賃料は上がり続けているが、空きは少し増えてきた」これが現在の渋谷区です。
賃料の交渉は難しい局面ですが、物件を選べる余地は春より広がっています。
4. 同じ「渋谷区」でも、場所でこれだけ違う
意外と見落とされがちなのが、渋谷区の中でもエリアによって賃料水準が大きく異なるという点です。
2026年10月時点の募集区画のデータでは、区内で最も高いエリアと最も低いエリアで、坪単価に約1.8倍の開きがあります。
・道玄坂・南平台・神南など:坪単価 約32,542円(区内最高水準)
・初台・笹塚・幡ヶ谷など:坪単価 約18,278円(区内最低水準)
20坪で借りた場合、前者は月約65万円、後者は月約37万円。同じ渋谷区でも月28万円ほどの差が出ます。
理由はシンプルです。渋谷駅から徒歩数分の一等地は、駅の利便性と新しいビルの多さで賃料が高くなります。
一方、新宿駅に近い初台・幡ヶ谷エリアは、渋谷駅からは離れるものの、複数の路線が使えて家賃水準は抑えられます。
「渋谷区であること」にこだわるのか、「渋谷駅に近いこと」にこだわるのか——ここを整理するだけで、予算の使い方が大きく変わります。
5. 相場を踏まえた、物件選びの実務ポイント
最後に、数字を「どう使うか」をお伝えします。
① 予算は「坪単価×坪数」で先に計算する。
渋谷区の平均26,979円で計算すると、10坪で月約27万円、20坪で約54万円、30坪で約81万円、50坪で約135万円です。
まずこの概算を出し、そこに消費税・駐車場・保証金(敷金)の償却分を上乗せして判断します。
保証金は「賃料の6〜12カ月分」が目安といわれることが多く、初期費用はまとまった金額になります。
② 空室率が上がった月は、交渉のチャンス。 足元で空室率が1.11%から1.55%へ上がっています。
こうした局面では、フリーレント(入居後一定期間の賃料が無料になる条件)や、保証金の分割払いといった条件を打診しやすくなります。
逆に空室率が1.2%を切るような締まった時期は、条件交渉より「早く決めること」が優先されます。
③ 坪単価だけで比べない。
天井高、24時間使えるか、機械警備の有無、光回線の引き込み状況、そして「基準階の広さ(ワンフロアを自社で使えるか、他社と分けるか)」は、実際の使い勝手を大きく左右します。
同じ坪単価でも価値は同じではありません。
④ 3〜5年後の賃料も視野に入れる。 渋谷区はこの1年で11.3%上昇しました。
更新時の賃料改定を見込むと、初年度の安さだけで選ぶのは危険です。
まとめ
2026年9月時点の渋谷区のオフィス相場は、平均坪単価26,979円、空室率1.55%、賃料は前年同月比+11.3%。
都心5区の中では賃料が最も高く、空室率は2番目に低い——「高いけれど、借りたい人が多い街」です。そして同じ渋谷区でも、エリアによって坪単価は約1.8倍の差があります。
相場は毎月動きます。
だからこそ、「今いくらなのか」「なぜその水準なのか」を数字で押さえたうえで動くことが、結果的にコストを抑える近道になります。
当サイトを運営する株式会社tfcは、事業用物件の賃貸借を専門とする宅地建物取引士を中心に、こうした市況データの読み解きから、坪数の適正化、条件交渉の進め方までを実務としてご支援しています。
「この予算で渋谷区は現実的か」「初台エリアなら何坪确保了できるか」——そうしたご相談は、具体的な数字があるほど精度が上がります。
まずは概算から、一緒に整理していきましょう。
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【執筆者プロフィール】
株式会社TFC オフィス営業担当
宅地建物取引士 下田
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