賃貸オフィスコラム

1.はじめに

　オフィスに開放感のある空間やお洒落な雰囲気を演出したい場合、スケルトン天井が役に立つかもしれません。今回のオフィスコラムでは、スケルトン天井の概要と導入におけるメリット・デメリット、そしてその費用の相場についても解説していきたいと思います。

2.スケルトン天井とは

　スケルトン天井とは、天井の内装や、天井内のダクトなどを隠す表層材がなく、躯体がむき出しになった天井のことです。スケルトン天井はコンクリートがむき出しのまま仕上げます。そのため、石膏ボードなどの天井材を貼って躯体を隠す一般的な天井とは異なります。
　コンクリートの無骨さをインテリアとして活かす方法の他、塗装によって印象を変えることも可能です。近年は、天井高が必要なスタジオや商業施設で用いられるだけでなく、シンプルで洗練された空間演出が可能なため、企業オフィスに採用されるケースも増えています。
　天井の高さは、空間の印象を変えるものです。天井は空間に占める面積が大きいということもあり、天井が低いと閉鎖感や圧迫感を感じやすくなります。また、天井が高いと広々した印象が生まれてその場にいる人も開放感を感じられます。このように天井は室内にいる人の印象も変えるのです。
　さらに、近年では店舗やオフィスをおしゃれに仕上げたいというニーズが高まり、スケルトン天井を考える人が増えています。このあえて天井材を使用しないことが、シンプルかつ洗練されたおしゃれな空間を作り出すことが出来るのです。

3.スケルトン天井のメリット・デメリット

3-1.メリット
①室内が開放的に
　スケルトン天井にすることで床から天井までが高くなり、スペースに開放感が生まれ、広々とした空間を演出することが可能です。また社員のクリエイティビティや業務パフォーマンスの向上にもつながり、来客者から良い印象を持たれやすいため、オフィスのイメージアップにつながるでしょう。

②デザイン性が高い
　スケルトン天井はシンプルなデザインだけに壁・床の内装やインテリアを引き立たせる効果があり、室内空間全体のデザイン性が向上します。また、スケルトン天井に塗装を施すことによってナチュラルな木目調の家具や綺麗めなインテリアとも相性が良くなり、洗練された印象作りにも有効です。先述の開放感との相乗効果でさらに来客者に良い印象を与えるオフィスとなるでしょう。
3-2.デメリット
①施工費用がかさむ
　スケルトン天井にする際に、天井のクロスやパネルを外す施工費用がかかります。また、天井の内部に敷き詰められている配線やダクトが剥き出しになるため、回線をまとめるか、移設が必要となる場合もあります。配線工事や専門の業者に依頼しなければならないため、コストがかさみます。そして退去時に天井を元の状態に戻す原状回復工事のための費用などを見込んでおく必要があります。
②明るさの維持が難しい
　スケルトン天井は天井が高くなる分、一般的な天井と同じ照明を設置しても光が届かず暗く感じる可能性があります。
　オフィスの明るさは仕事の生産性や働く人の視力、健康状態にも影響するため、十分な明るさを維持することができる照明器具が必要です。
　その対策として、照明の数を増やす、LED電球を用いる、照明や窓からの光が反射しやすいように天井のコンクリートを白で塗装するといったひと工夫が効果的でしょう。

4.導入における費用相場

　スケルトン天井の費用相場は、1坪あたり3万円から5万円が一般的な費用となりますが、工事区分やビル条件によっては金額が大幅に上下する場合もあります。
　スケルトン天井を施工する際には、天井ボードを取り除くだけでなく、配線やダクトの移設、照明器具や空調設備、警報器の設置、撤去した造作物の廃棄など、様々な費用が発生します。
　また、コンクリートが劣化していたり、配線・配管の状態が悪かったりする場合、追加費用がかかることがあります。スプリンクラーがある場合も、水抜きをした上で撤去し、再設置しなければならないため別途費用が発生します。天井を取り外しする範囲や、躯体のコンクリート状態も工事費用に大きく影響するので、相場費用はあくまで目安に過ぎないということは注意しなければなりません。
　さらにオフィスを改修する際には消防法や建築基準法等の各種法律にも目を配らなければいけません。物件によっては法律上スケルトン天井にすることができない場合も有り得るので、事前に関連の法律や条件についても把握しておかなくてはなりません。

5.まとめ

　今回のオフィスコラムではスケルトン天井についてまとめました。スケルトン天井はデザイン性が高く、開放的な空間を創出する一方で、工夫をいれないと照明が暗くなりやすい危険性も潜んでいます。スケルトン天井のオフィスを探すときは、メリット・デメリットを熟知しておく必要があるでしょう。
　その他オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下のリンクから是非ご覧ください。
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