賃貸オフィスコラム
居抜きオフィスの概要と注意すべき点
1.はじめに
もし新たにオフィスを新設する場合や、オフィスを今の場所から移転する場合、多額の費用がかかることが予想されます。その費用を抑える策の一つとして、居抜きオフィスの利用がオススメです。
今回のオフィスコラムでは居抜きオフィスの概要とそのメリットやデメリットについて調べていきたいと思います。
2.居抜きオフィスの概要
居抜きオフィスとは家具やレイアウトがそのままの状態で貸し出されているオフィスのことを指します。
これまでは居抜き物件というと飲食店や美容室の物件のイメージが強かったのですが、最近は賃貸オフィスの居抜き物件も増えてきています。
大きな一つの理由として、新型コロナウイルスの影響によるテレワークの普及等で、オフィスを解約する企業が増えていることが考えられます。コロナ禍以前の移転頻度は5年から10年ほどと言われていました。そのため居抜きオフィス物件も、多かれ少なかれ使用感のある状態の物件が多かったのですが、コロナ禍以降は入居間もなく、まるで新品のような物件が多く出ています。
また、居抜きで退去することにより、原状回復の必要がないため、退去側と入居側の利害が一致するようになったのも、居抜きオフィスが増えてきた理由になります。
3.居抜きオフィスのメリットとデメリット
<メリット>
3-1.コストの削減
居抜きオフィスの一番のメリットは、以前のテナントが利用していた設備や備品をそのまま利用できるため、移転の際のコストが抑えられることです。また、それに伴い内装工事にかかる費用も抑えられ、さらに備品の搬入も少なくすむため、移転の費用も抑えることができるのもメリットです。
3-2.レイアウトやゾーニングの検討がしやすい
居抜きオフィスでは以前のテナントのオフィスレイアウトやゾーニングを参考にすることができます。そのため、新しいオフィスで一からオフィスレイアウトやゾーニングを考えるよりも、素早く効率的に検討していくことが出来るでしょう。通常のオフィス移転の場合、移転後の物件でのレイアウトやゾーニングに相当の手間と時間がかかることが予想されます。その時間を短縮することができるのは居抜きオフィスの特権とも言えるでしょう。
<デメリットと注意すべき点>
3-3.中古備品の買い替えが必要な場合もある
居抜きオフィスの設備や備品は基本的に以前の借主から譲渡されたものであり、いわゆる残置物のため、万が一故障があった場合の修理費用は新しい借主が負担していく必要があります。
またオフィス家具や什器といった設備はすべて中古品になりますので、耐用年数を超えている場合や、著しく傷んでいる場合は安全性にも問題があるため、買い替えをする必要があります。そして使えない備品を処分する際は別途費用がかかるため、最悪の場合、通常のオフィス物件よりも割高になってしまう可能性があるので、備品の確認には十分な注意が必要になります。
通常、前の借主が設備や備品、什器を残したまま退去する場合には「造作譲渡計画」を結ぶ必要があります。ただし備品や什器がリース物件だった場合は、所有権を持っているのはリース会社になります。
その場合前の借主と造作譲渡計画を結べず、そのままリース契約を継続する、もしくはリース会社に返却する必要があります。そのような場合だと後々トラブルに発展する可能性もありますので、所有権についても必ず確認しておくようにしましょう。
3-4.移転後にレイアウトに不便を感じる場合がある
最初は希望に沿った物件だと思って入居しても、いざ事業を開始していこうという時にレイアウトに不便さを感じてしまう可能性もあります。移転の際のコストや時間の削減ができるのが居抜きオフィス物件の大きなメリットですが、そのメリットだけを固執して優先していくと事業開始後に後悔する結果を生み出してしまう可能性もあるため、居抜きオフィスを借りる際には十分な検討が必要です。特に前の借主の企業が自社と異業種だった場合、使いにくさを感じる可能性が高いので注意していきましょう。
注意すべきポイントとして一番大事なのは、内覧時にそのオフィスを使って実際に業務をしている場面をイメージすることです。そのためにも内見に訪れる前に現場の社員の方々に動線や必要な設備を確認しておくといいでしょう。
4.居抜きオフィスを選ぶ際に注意すべき点
第3項の後半部分ではデメリットとともに、居抜きオフィスを選ぶ際に注意すべき点を2つご紹介させていただきました。この項ではその2点以外で注意すべき点をいくつか紹介していきたいと思います。
4-1.退去する際の原状回復について確認する
居抜きオフィスを借りた場合でも、基本的に通常のオフィスと同様に借主は退去時には原状回復をする必要があります。居抜きオフィス物件は入居時には費用を抑えることができますが、将来発生する費用についても事前に確認することはとても大切です。
退去時にどのくらい原状回復費が発生するのかを確認するためにも、前のテナントがどのような工事を施したのかを注目しながら、図面を見て確認するのが望ましいでしょう。
4-2.クリーニング費用負担を確認する
もし、入居時にオフィス内が汚れていた場合や、残置物が残っている場合には当然クリーニングや処分をする必要がありますが、そのクリーニングや処分の費用を誰が負担するのかで、思わぬトラブルが発生する可能性があります。そのような事態を未然に防ぐためにも、クリーニングや処分の費用は誰が負担するのかをはっきりとさせておくことをオススメします。
4-3.気に入った物件があれば早めに決断する
新型コロナウイルスの流行以降、居抜きオフィス物件の募集数は増えてきましたが、通常のオフィスの募集数に比べると少ないですので、これまでに挙げた注意するべき点を確認するのは勿論必要ですが、必要以上に検討を重ねた場合、他の企業に先を越される可能性がありますので、気に入った物件があれば早めに決断することも大切です。
また例外もありますが、居抜きオフィス物件は後継のテナントが見つからない場合、原状回復をしなければならないため早めの決断が必要になっていきます。
5.おわりに
今回のオフィスコラムでは居抜きオフィスの概要とその注意点についてまとめました。居抜きオフィスは初期費用のコストを抑えられる点や、レイアウトやゾーニングをしやすいといったメリットもありますが、備品の買い替えをしなければいけない場合があることや、移転後にレイアウトが不便に感じる場合があるといったデメリットも存在します。なので居抜きオフィス物件を探す場合は本当に自社に適切なのかよく確認しておくようにしましょう。
その他オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下のリンクから是非ご覧ください。
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