賃貸オフィスコラム
オフィス移転費用を節約するために 補助金・助成金を活用しよう!
オフィス移転には引越し費用だけでなく、旧オフィスの原状回復費、不用品の処理費用、新オフィスの初期費用、設備投資費といった様々な費用が発生します。これらはオフィス移転の際に大きな負担となりますが、補助金や助成金を活用することで費用負担を軽減させることができます。
今回のコラムでは、補助金と助成金の違いや種類といった概要と、オフィス移転に活用する際の注意点をご紹介します。
1.補助金と助成金の違い
ほとんど同じ意味合いで用いられる補助金と助成金ですが、実は違いがあります。補助金・助成金共に、返済が不要な場合がほとんどな点は共通ですが、管轄している省庁や、目的、受け取るハードルの高さ、金額の大小、申請を代行できる資格などが大きく異なるため、詳しく解説します。
まず、補助金は、主に経済産業省や地方自治体が管轄しているもので、起業や新規事業支援、サテライトオフィスの開設や工場の誘致といった企業への資金援助を目的としたものです。受け取れる金額は大きいですが、予め枠が定められていることが多く、計画書を提出し審査を受け、評価が高い企業から順に支給されます。そのため、要件を満たしていれば必ず受けられるわけではありません。
次に、助成金は、主に厚生労働省が管轄しているもので、労働環境の改善や、雇用対策を目的としたものです。要件さえ満たせばほとんどの場合支給されるため、補助金よりも受け取るためのハードルは低いです。その代わり、補助金よりも支給額が少額の場合がほとんどです。
最後に申請を代行できる資格は補助金が行政書士・中小診断士・税理士で、助成金が社会保険労務士(社労士)となります。
補助金 | 助成金 | |
---|---|---|
管轄 | 主に経済産業省/地方自治体 | 主に厚生労働省 |
内容・目的 | 主に事業に関するもの | 主に雇用に関するもの |
受け取りやすさ | ハードルが高い | ハードルが低い |
受け取れる金額 | 多額 | 少額 |
申請代行が可能な資格 | 行政書士/中小企業診断士/税理士 | 社労士 |
2.移転に活用できる補助金・助成金の種類
意外かもしれませんが、オフィス移転そのものを対象とした補助金・助成金はほとんどありません。しかし、オフィス移転に利用できる補助金は複数あるので、それらをご紹介します。
①ものづくり補助金
ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者が賃上げや働き方改革、インボイス制度などに対応するための補助金です。一見、オフィス移転と無関係に思えますが、生産性向上を目的としたオフィス移転であれば問題なく利用できます。
②事業承継・引継ぎ補助金
事業承継・引継ぎ補助金は事業承継、統合、再編を機に新たな取り組みを行う企業に支給される補助金です。新たな取り組みの例として、新商品の開発や、新規顧客の獲得があげられ、そのためのオフィス移転は正当事由として認められます。
③IT導入補助金
IT導入補助金は、ITを導入することによる中小企業の業務の効率化、労働時間の短縮、販路拡大といった労働生産性の向上を目的としたもので、アプリやITサービスの導入を支援するための補助金です。ITツールの導入・強化のためにオフィス移転が必要な場合、申請を検討しましょう。
④創業助成金
東京都が行う助成金制度で、都内で創業予定、あるいは創業から5年未満の中小企業が対象となります。書類審査と面接審査が必要ですが、賃借料や人件費が助成されるため利用しやすい制度と言えるでしょう。
⑤キャリアアップ助成金
厚生労働省が行う助成金で、非正規労働者のキャリアアップを目的としたものです。非正規労働者を正社員として雇用する場合や、処遇の改善をするためにオフィスを移転する際に利用できる可能性があります。
3.補助金・助成金を活用するメリット・デメリット
補助金や助成金を活用することはメリットだけではなく、デメリットもあります。やみくもに申請するのではなく、以下にあげるメリット・デメリットをよく検討した上で、申請しましょう。
メリット
①移転費用の節約
補助金・助成金を活用する最大のメリットはタイトルのように、自己資本からの出費や金融機関からの融資を極力減らすことができるため、移転費用を節約できます。
②信頼の証明となる
副次的にですが、行政から補助金・助成金を支給されることは企業としての信頼の証明にもなります。書類選考や面接を通過し、支給された際に公式サイトに企業名が公表されるため、行政から認められたことを外部にアピールできます。
デメリット
①書類を作成する手間がかかる
一方、補助金・助成金を活用するデメリットは、第一に必要書類が多く、少しでも不備があった場合作成しなおすことが必要な点が挙げられます。特に、オフィス移転を検討している場合、引っ越し費用の見積もりなどでただでさえ、通常よりも業務が慌ただしくなっているため、場合によっては行政書士や社労士のような、書類の代行やアドバイスを行ってくれる士業に相談することも検討した方が良いでしょう。
②支給までに時間がかかる
基本的に支給が後払いという点も気を付けなければなりません。移転の為の資金が足りないから助成金・補助金を活用することは不可能なため、手元に必要経費を用意する必要があります。
その他オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下のリンクから是非ご覧ください。
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