賃貸オフィスコラム
適切なオフィス面積 ー快適なオフィス環境整備ー
1.時代とともに変化する適切なオフィス面積
労働安全衛生法に基づく事務所衛生基準規則ではオフィス面積を1人当たり3.3㎡(1坪)以上と定められています。しかし、現在のオフィスビルにこの数値をそのまま当てはめることはほぼ不可能であるため、あくまで最低ラインとして捉えるべきでしょう。
また、これまでに1人当たりの適切なオフィス面積は10㎡(3坪)程度とされてきましたが、近年の働き方改革やコロナ禍に伴うテレワークやハイブリッドワークの普及による出社勤務の減少や、レイアウトの良いオフィスが増加したため、こちらの数値も単純に当てはめることは難しくなっています。
今回のコラムをオフィス移転やオフィスレイアウトの変更の際に活用して頂ければ幸いです。
2.1人当たりに必要なオフィス面積の算出方法
前述のように、長年オフィス家具メーカーや不動産会社は1人当たりの適切なオフィス面積を10㎡程度としてきました。しかし、テレワークの推進により、在籍社員と出社する社員に隔たりが生じたため、以前のような「一人当たりの面積×社員数」という単純計算では算出することが難しくなりました。そのため、出社率を用いた計算式で、より適切な1人当たりのオフィス面積を算出することができます。
以下に計算の具体例をあげますので、参考にしてみて下さい。
・出社率を用いた計算式
オフィス面積 = 在籍人数 × 出社率 × 席余裕率 × 1席当たりの面積
・計算例
在籍人数:100人
出社率:68.5%
席余裕率:185%
1席当たりの面積:2.88坪(9.52㎡)
オフィス面積=100×0.685×1.85×2.88=364.968
以上から適切なオフィス面積の目安は約365坪であることがわかります。
※席余裕率と1席当たりの面積はザイマックス総研ホームページをもとに設定
3.1人当たりのオフィス面積が狭い場合のレイアウトの工夫
1人当たりの面積が確保されていないオフィスは物理的、精神的双方のストレスが従業員にかかるおそれがあります。そのような職場では当然業務も非効率的になってしまうため、労働生産性に大きな影響が生じてしまいます。
しかし、必要以上にオフィスを広くしてしまうと、多大な賃料や冷暖房費が発生してしまうため、できるだけ先程の計算式を用いて適切なオフィス面積を算出し、できるだけ働きやすいオフィス環境整備を行いましょう。
とはいえ、そんなに簡単にオフィスの移転はできないため、以下にあげる1人当たりのオフィス面積が1〜2坪のような狭い場合のオフィスレイアウトの例を参考にしてみてください。
・1人当たりの面積が1~2坪場合のオフィスレイアウトの例
1人あたりの面積が狭いオフィスでは、何よりも自席でのワーキングスペースの広さや、ミーティングスペースといった業務に直結するスペースを最優先で確保しましょう。
その他にも、ミーティングスペースと休憩スペースの統一や、外回りの営業マンが多い会社や、テレワークやフレックス制をを積極的に導入している会社がフリーアドレス制を導入することで、社員1人につき1台のデスクを用意する必要がなくなるため、より1人あたりのオフィス面積を広く確保することができるでしょう。
4.業種によっても異なる適切なオフィス面積
適切なオフィス面積は業界・業種によっても異なってきます。前述のオフィスレイアウトの例は、テレワークや、外回りの営業マンが多い企業のため、1人当たりの面積が狭くても問題ありませんでした。しかし、1人当たりの面積が広いことが求められる企業も存在します。銀行などの金融機関や、不動産仲介会社、弁護士などの士業事務所といった来客対応が多い企業が代表的な例です。また、パソコンが所狭しと何台も設置されているIT企業や、図面の設計のために広いワーキングスペースが必要となる設計事務所なども同様です。
以上のように、オフィス面積が狭いと業務に支障をきたしてしまう業種なのか、狭くても工夫次第でオフィスを快適にできる業種なのかを考慮することが必要です。
その他オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下のリンクから是非ご覧ください。
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