賃貸オフィスコラム

2026年最新版 新宿区のOffice賃貸相場

はじめに

新宿区でオフィスを探すときは、「新宿区の相場はいくらか」を1つの数字だけで見ると判断を誤りやすくなります。
実際には、調査の対象が大きなビルか、中小規模の募集区画かによって数字が変わるためです。
2026年10月時点の募集区画ベースでは、新宿区の平均坪単価は22,307円、中央値は19,000円、価格帯は14,782円〜32,002円でした。
一方、2026年9月時点の都心5区の大規模ビル調査では、新宿区の平均賃料は20,833円、空室率は1.86%です。
まずは、この2つの数字を分けて読むことが、新宿区のオフィス相場を正しくつかむ第一歩です。

1.まず押さえたい最新相場は「坪単価」と「空室率」

新宿区のオフィス相場を見るうえで、最初に確認したいのは賃料水準と空室の少なさです。
2026年10月時点の募集区画データでは、新宿区の平均坪単価は22,307円、中央値は19,000円でした。
平均値より中央値が低いことから、高額帯の大型区画が全体平均を押し上げていることも読み取れます。
また、2026年9月時点の大規模ビル調査では、新宿区の平均賃料は20,833円、空室率は1.86%でした。
空室率が2%を下回っているため、借り手から見ると、条件の良い区画は早く動きやすい市場といえます。

さらに、都心5区全体の平均空室率は1.85%、平均賃料は23,985円でした。
新宿区は都心5区全体と比べると、賃料はやや抑えめで、空室率はほぼ同水準です。
つまり新宿区は、「都心立地の利便性を確保しつつ、最上位の都心エリアよりは賃料を抑えやすい区」と整理しやすい状況です。
表1:新宿区の最新オフィス相場を数字で整理

比較項目 数値 時点 見方
新宿区の平均坪単価 22,307円/坪 2026年10月 募集中の10〜300坪区画の平均
新宿区の中央値 19,000円/坪 2026年10月 実感に近い中心価格の目安
新宿区の相場レンジ 14,782〜32,002円/坪 2026年10月 エリアと広さで差が大きい
新宿区の平均賃料 20,833円/坪 2026年9月 大規模ビルベースの月次調査
新宿区の空室率 1.86% 2026年9月 低水準で推移
都心5区の平均賃料 23,985円/坪 2026年9月 新宿区より高い
都心5区の平均空室率 1.85% 2026年9月 新宿区とほぼ同水準

2.「相場が2万円台前半」と言い切れない理由

新宿区の相場を調べると、20,833円/坪と22,307円/坪という2つの数字が出てきます。
これはどちらかが間違っているのではなく、集計方法が違うためです。
前者は都心5区の大規模ビルを中心にした月次調査、後者は新宿区内で募集中の10〜300坪区画を集計した募集ベースの相場です。
つまり、「市場全体の動き」を見る数字と、「いま借りられる区画の相場」を見る数字は分けて考える必要があります。

初心者の方には、次のように考えると分かりやすくなります。
まず相場観をつかむ段階では、平均坪単価22,307円と中央値19,000円を見ます。
そのうえで、交渉やタイミングを考える段階では、空室率1.86%という需給の数字を確認します。
空室率が低いほど、貸主側が強気になりやすく、値下げ余地も小さくなりやすいためです。

3.新宿区の中でも、相場はエリアで大きく変わる

新宿区と一口にいっても、賃料水準はかなり違います。
2026年10月時点の募集区画データでは、新宿・西新宿エリアが最も高く、平均坪単価は25,674円〜32,002円でした。
四ツ谷・信濃町は17,556円〜29,082円、大久保・高田馬場は17,064円〜21,697円、市ヶ谷・神楽坂・飯田橋は14,782円〜19,667円です。
区内でこれだけ差があるため、「新宿区だから高い」「新宿区だから手が届かない」と一括りにしないほうが実務的です。

特に、ターミナル駅に近い新宿・西新宿は、大型区画になるほど坪単価が上がりやすい傾向があります。
一方で、市ヶ谷・神楽坂・飯田橋や大久保・高田馬場は、区内では比較的予算を組みやすい水準です。
来客の多さ、採用のしやすさ、通勤の便利さを重視するなら新宿・西新宿が有力ですが、固定費を抑えながら区内立地を確保したい場合は、周辺エリアまで含めて比較したほうが選択肢は広がります。
新宿区のエリア別オフィス相場比較

エリア 平均坪単価の目安 特徴
新宿 / 西新宿 25,674〜32,002円/坪 2026年10月
四ツ谷 / 信濃町 17,556〜29,082円/坪 幅が広く、物件の条件差が出やすい
大久保 / 高田馬場 17,064〜21,697円/坪 区内では比較的手頃
市ヶ谷 / 神楽坂 / 飯田橋 14,782〜19,667円/坪 区内で抑えめの水準

4.相場を押し上げる背景は、立地の強さと再整備の進行

新宿区のオフィス相場を考えるうえで、交通の強さは外せません。
都営地下鉄の最新データでは、2024年4月〜2025年3月の1日平均乗降人員は、新宿駅が新宿線で乗車145,957人・降車143,443人、大江戸線で乗車62,465人・降車66,475人でした。
新宿西口駅は乗車28,000人・降車25,643人、都庁前駅は乗車24,302人・降車25,477人です。
人の流れが大きいエリアは、通勤や来客の利便性が高く、結果としてオフィス需要を支えやすくなります。

加えて、新宿駅周辺では再整備が進んでいます。
新宿駅直近地区の土地区画整理事業は2022年3月に工事着手し、2035年度に東西デッキ・東西駅前広場の一部完成、2044年度に事業完了予定です。
また、西新宿三丁目西地区では、施行地区面積約4.6ha、A-1街区の延べ面積は北棟約180,180㎡、南棟約192,845㎡で、2035年度竣工予定です。
こうした再整備は、短期的には工事の影響もありますが、中長期ではエリア価値を支える材料になります。
地価面でも、2026年の東京都区部商業地は前年比13.8%上昇でした。
オフィス賃料と地価は同じ数字ではありませんが、土地の評価が上がる局面では、オフィス市場にも強含みの空気が出やすくなります。
新宿区のオフィス相場を「一時的な数字」ではなく、「需要が続いている結果」と見る材料の1つです。

5.新宿区でオフィスを選ぶときの実務的な見方

新宿区でオフィスを探すときは、単純に「区の平均坪単価」を予算に当てはめるだけでは不十分です。
実務では、まず予算上限を決め、次に必要な広さを決め、そのうえでエリアを分けて比較すると判断しやすくなります。
たとえば、採用や来客対応を重視する会社は新宿・西新宿を軸にし、固定費を抑えたい会社は大久保・高田馬場や市ヶ谷・神楽坂・飯田橋も候補に入れる、という考え方です。
また、2026年10月時点でセットアップオフィスは新宿区の募集区画全体の約6.3%、平均坪単価は35,965円、通常オフィスは21,303円で、約69%高い水準でした。
初期工事を抑えたい会社には魅力がありますが、月額の見え方は大きく変わります。
相場を見るときは、通常オフィスなのか、内装付き区画なのかも必ず分けて考えるべきです。

まとめ

最新版の新宿区オフィス相場は、2026年10月時点の募集区画ベースで平均22,307円/坪、中央値19,000円/坪、レンジ14,782円〜32,002円でした。
大規模ビルの月次調査では、2026年9月時点で平均賃料20,833円/坪、空室率1.86%です。数字が複数あるのは、調査対象と集計方法が違うためで、どちらも用途に応じて使い分けることが大切です。

新宿区は、交通の強さ、再整備の進行、商業地の上昇傾向を背景に、引き続き需要が強いエリアです。
ただし、区内でも新宿・西新宿と、市ヶ谷・神楽坂・飯田橋では賃料水準が大きく違います。
初心者の方ほど、「新宿区の平均」だけで決めず、「どのエリアで、どの広さを、どの使い方で借りるか」まで細かく見ていくことが、後悔しないオフィス選びにつながります。

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【執筆者プロフィール】
株式会社TFC オフィス営業担当
宅地建物取引士  下田
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