賃貸オフィスコラム
苦境に立たされるホテル業界、見出した新たな活路
新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的な流行に伴い、ホテル業界が苦境に立たされています。これ以上の感染拡大を防止するため、各国間の人の往来が制限されるようになり、観光立国としてインバウンド需要に応えてきた数々のホテルが、事業再生や売却、閉館などに追い込まれています。そうした中、ホテル業界からもコロナ禍での新たな働き方を提唱するなど、活路を見出そうとしています。
大量閉館したホテルチェーン、駅近でも…

海外からの訪日観光客がいなくなり、緊急事態宣言による地方間の往来も自粛され、国内の観光客も減少。政府主導のGoToトラベルキャンペーンも、当初は東京都のみ除外されるなど、東京のホテル業界は大打撃を受け、都内随一の繁華街でもある新宿や渋谷といった副都心エリアも例外ではありませんでした。
日本全国に26店舗を展開するホテルグループ「ホテルユニゾ」は、半数以上の14店舗を年内に閉館すると発表。その中には渋谷パルコに近接する「ホテルユニゾ渋谷」も含まれ、既に他企業へ売却されていますが、別ブランドのホテルとして再開業するかは不明です。
新宿では、新宿駅東口に程近い場所の好立地に営業していた「セントラルホテル新宿」が8月で閉館、西新宿にあった「ホテルマイステイズ西新宿」も9月いっぱいで閉館しています。
コロナ禍でも新宿にホテルを新規開業したあのブランド

※アパホテル公式ホームページより引用
しかし、そんなコロナ禍でも新宿の繁華街にホテルを新規開業させたブランドがあります。
11月6日、東新宿駅から程近い職安通り沿いに、「アパホテル東新宿歌舞伎町タワー」が開業。客室の稼働率がコロナ禍前に比べて、他ホテルほど顕著な下がり幅とならなかったこともあって、アパホテルグループの代表も「変わらずホテルを開業していく」と強気な発言をしています。
アパホテルのブランド力も然ることながら、1泊2000円台という破格の値段設定、新規開業記念やGoToトラベルキャンペーンの適用などによる特別価格キャンペーンの実施などで、コロナ禍の利用者の心を掴んできた結果と言えます。
泊るだけじゃない、新しいホテルの活路

観光客による宿泊が減った状態で、ホテル業界はこの空室を有効活用しようと、コロナ禍に対応した新たなプランを打ち出し、活路を見出しています。
東急系列のホテル「東急ステイ」では、新宿・渋谷・池袋の3店舗で、テレワークを行うビジネス客向けに日中に客室を貸し出すプランを開始。小田急ホテルセンチュリーサザンタワー(新宿駅南口)では、20階にあるダイニングで絶景と食事や飲み物を楽しみながら、日中3時間にテレワークで利用可能なプランを販売しています。ホテルメッツ渋谷(JR東日本系列、渋谷駅新南口)では、JR東日本系列のシェアオフィス会員向けに、日中客室をビジネス目的で利用できるサービスをスタートさせました。
京王プラザホテル(西新宿)では、自動車に乗ったまま、フロントに寄ることなくチェックインが可能となる「ドライブスルーチェックイン」のプランを開始しています。
ビジネス利用に活路を見出すホテル業界
国内では新型コロナウイルス感染拡大の第3波を迎えているともいわれ、欧米でも感染収束の兆しが見られず、各国間の観光目的での人の往来は当分再開されないことが見込まれます。
元々観光立国としてインバウンド需要に応えてきたのみならず、東京オリンピックを見据えて多数のホテルが林立していましたが、海外からの旅行客が全くなくなってしまった上、国内の移動にも制約が付きまとってくる以上、事業の整理などで閉館するホテルが出てきてしまうことは今後も予想されるでしょう。
一方、一部のホテルでは日中の客室をテレワークなどのビジネス利用のために貸し出すプランを打ち出すなど、仕事をする場所としてもホテルが注目されています。オフィスで仕事をしなくてもよくなったビジネス客向けの新プランを展開することで、コロナ禍における需要に適応することで、活路を見出していくことでしょう。
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