渋谷街角コラム

渋谷再開発でビジネスはどう変わる?

1.はじめに

 現在渋谷区は100年に1度と言われている大規模な再開発の真っ最中です。その再開発によって渋谷のビジネスがどのように変化をしていくのかを、渋谷の商業の歴史を振り返りつつ、紹介していきたいと思います。

2.高度経済成長期前後の渋谷

 日本が高度経済成長期の真っ最中だった頃、渋谷は道玄坂を中心とした商業地と繁華街として発展していました。この賑わっている状況から新たな付加価値を追及する必要性が生まれ、それを受けてオフィス地区の整備が急速に発展していきました。
 1964年に開催された東京オリンピックを契機に、道路の新設や拡幅の工事が頻繁に行われるようになり、企業各社は新しく生まれ変わる渋谷に魅了されて、次々とオフィスが開設されていき、渋谷はオフィス地区としての需要も急速に増加しました。
 さらに翌1965年には渋谷区総合庁舎、渋谷公会堂、などの公共施設も整備され、利便性がさらに向上したとも言われています。この頃に渋谷は繁華街としてでなく、オフィス街としても成長していきました。

高度経済成長期の渋谷(ポケットオフィスより引用)

3.ビットバレーの隆盛と衰退

 インターネット黎明期と言われている1990年代末期から2000年代初頭、様々なインターネット関連のベンチャー企業が誕生していきました。しかし当時の主要なオフィス街だった丸の内や日本橋の高額な賃料を、ベンチャー企業が支払う余裕は中々ありませんでした。
 そこでベンチャー企業は、丸の内がある千代田区よりも賃料が安く、交通の利便性も高い渋谷に目をつけました。そして渋谷はITの中心地として確立し、アメリカのカリフォルニア州にあるIT企業の密集地“シリコンバレー”に倣って“ビットバレー”と呼ばれるようになっていきました。
 しかし、2000年代前半になると、渋谷は深刻なオフィス不足に陥り、貸し床不足となった企業は別のエリアへ移転するようになりました。さらに地価の高騰によって渋谷は先述の丸の内や日本橋のような状況になり、賃料の支払いに苦慮したベンチャー企業各社は賃料の安い五反田方面へとオフィスを求め始め、“五反田バレー”と呼ばれるエリアを形成していきました。
 こうした事情から、ビットバレーはかつての勢いを失ってしまったのです。
 また、オフィス不足以外にも、渋谷駅が複雑な構造であるために乗り換えやエリア間の移動が不便だったことも、渋谷をビジネスの街から遠ざけてしまった原因とも言われています。

4.渋谷再開発

 今回の渋谷再開発ではオフィス不足と、交通の不便さを解消するための工夫がなされています。
 再開発によるビジネスの影響で最も期待されているのは企業誘致です。オフィス不足の解消のために今回の再開発で建設されるビルはオフィス面積だけでも20万㎡(東京ドーム約4個分)を超えると言われています。ビジネスマン1人当たりのオフィス面積は平均して10㎡と言われているので、2万人以上のビジネスマンが新たに渋谷で働くことができると考えられます。
 また、グーグル、サイバーエージェント、ミクシィ、GMOといった著名なIT企業が渋谷に既に移転してきていることや、それに伴ってレンタルオフィスやコワーキングスペースが渋谷に増えていることから、ビットバレーの再興が期待されています。

グーグルのオフィスが所在している渋谷ストリーム(筆者撮影)
サイバーエージェントのオフィスが所在しているアベマタワーズ(筆者撮影)

 交通の不便さの解消として、銀座線、埼京線、山手線の移設工事が完了しており、2023年に行われた山手線の工事によってそれまで内回りと外回りがそれぞれ別々のホームにあったのが、1つのホームにおかれるようになりました。
 今回の再開発で建設されるビルはオフィスや商業施設以外にも様々な利用がされています。
 例えば渋谷フクラスの1階には観光案内所「shibuya-san」があり、日本人外国人問わず利用できるほか、昼は企画展示、夜はお酒が呑めるバーなどが開かれており、世界中の人々が交流を深めることが出来る場所として利用することができます。

shibuya-san入口前(筆者撮影)

 また国際競争力を高める点として、グローバル対応の生活支援施設や、国際医療施設など、多目的利用を目的とした大規模な開発が計画されています。
 そのことから海外企業の日本進出のエリアとして渋谷が選ばれることも考えられ、海外のビジネスマンが働きやすい環境の整備が急がれています。

まとめ

 今回は渋谷のビジネスの歴史を振り返りながら、渋谷の再開発についてまとめました。今回の再開発によって新設されるオフィスや、移転してきた著名な企業が力を合わせてビットバレーの再興、そして渋谷のビジネスに新たな息吹を吹きこむことに期待します。
その他オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下のリンクから是非ご覧ください。

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