新宿街角コラム

新宿グランドターミナル構想着工開始

1.日本最大のターミナル新宿駅
　新宿は言わずと知れた日本最大級の商業集積地であると同時に日本最大の歓楽街でもあります。さらに日本屈指のビジネス街でもあるため、日本一の都市集積機能を持った街であると言えます。そのため、新宿駅はJR東日本、京王電鉄、小田急電鉄、東京メトロ、東京都交通局の5つの鉄道会社が乗り入れている世界一の乗降客数を誇る日本最大のターミナル駅です。さらに近隣の西武新宿駅を含めるとより巨大なターミナル駅と見なすこともできます。
　その日本最大のターミナル駅である新宿駅周辺で2018年に東京都と新宿区が公表した「新宿グランドターミナル構想」によって、10～20年後を見据えた新宿駅周辺の街づくりが推進されました。それが遂に昨年から今年にかけて、続々と再開発が開始され、今新宿が大きく変わろうとしています。
　今回のコラムでは、小田急百貨店跡地の「新宿駅西口再開発事業」(仮称)、JR東日本と京王電鉄が共同で行う新宿駅西南口再開発計画、西口駅前ロータリー付近明治安田生命新宿ビルの跡地の「西新宿一丁目地区プロジェクト」(仮称)、歌舞伎町の新たなシンボルとして開業した東急歌舞伎町タワーを新宿再開発の事例として紹介し、再開発によって、新宿がさらに魅力あふれる街となっていく様子をお伝えいたします。

2.「新宿駅西口再開発事業」(仮称)
　昨年10月から本格化した新宿西口エリアの再開発は、実に約60年ぶりとなる大規模再開発であり、それに伴い、長年新宿西口のシンボルであった小田急百貨店新宿店本館が昨年10月に閉館され、現在解体工事が行われております。その他にも新宿ミロード本館も今年3月以降順次営業を終了し、最終的には2025年4月以降に解体の着工が開始される見込みとなっています。
　解体跡地には地上48階、地下5階、高さ約260mの新たな再開発ビルが2029年に竣工予定です。現在、中低層階には商業施設を備え、高層階にはハイグレードオフィスを備える予定です。これまで新宿駅西口のシンボルだった小田急百貨店の後継としてふさわしい高層となることを個人的に期待しているため、竣工が非常に楽しみです。

3.新宿駅西南口地区再開発
　昨年4月にJR東日本と京王電鉄が共同で行う新宿駅西南口地区の再開発計画が公表されました。計画の概要では「北街区」の京王百貨店とルミネ1を解体し、地上19階、高さ110mの商業施設を建設し、甲州街道を渡った、バスタ新宿側の「南街区」には地上37階、高さ225mの超高層ビルの建設が予定されています。南街区の高層階は高級ホテルが出店予定で、それに付随し、ラウンジやレストラン、バー、フィットネスが出店予定です。さらに34階は「新宿テラス」という新宿を一望できるテラスを設置するため新たな観光スポットとなるでしょう。
　「北街区」の竣工は2040年代と約20年という長きにわたって再開発が行われますが、その一方、「南街区」の竣工は2028年度の予定と一足早いため、「北街区」の再開発が難工事であることが容易に予測できます。

4.西新宿一丁目地区プロジェクト.（仮称）
　明治安田生命は昨年までに「明治安田生命新宿ビル」をはじめとした7棟のビルの解体が完了しました。跡地には明治安田生命や森ビルなどが計画した「西新宿一丁目地区プロジェクト」（仮称）によって、地上23階・地下4階建て・高さ130mの高層ビルが現在建設中です。2025年の竣工後は1階～3階はホールや店舗として利用され、4階以上はオフィスとして利用される予定です。

5.歌舞伎町の新たなシンボル東急歌舞伎町タワー開業
　西口以外のエリアでは、今月14日に、歌舞伎町の新宿TOKYU　MILANO跡地に、地上48階地下5階建て、高さ約225mの東急歌舞伎町タワーが開業しました。 高層階は東急ホテルズが運営するホテルとなっており、低中層階は映画館やライブハウス、劇場などが入居する複合エンターテイメント施設であり、多くの若者が集う場となり、歌舞伎町の新たなシンボルとなるだけでなく、新宿エリア再開発の先駆けでもあるため、ますます他の再開発の完成が待ち遠しく感じます。

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