新宿街角コラム
神宮外苑地区再開発、オリパラ後本格化へ
はじめに
東京オリンピック・パラリンピック2020終了後、再開発の舞台となるのは国立競技場周辺の「神宮外苑地区」。今回は、スポーツ施設や商業施設、オフィスビルが立ち並ぶ都内有数の一大拠点として生まれ変わる神宮外苑地区の再開発についてご紹介します。
外苑エリアとは?
都心でありながら、銀杏並木など自然を感じられる落ち着いたエリアで、表参道や青山にも近く、おしゃれで洗練された雰囲気が漂っています。
また、伊藤忠商事東京本社ビルや秩父宮ラグビー場、新国立競技場も位置するエリアで、この地域一帯の神宮外苑地区の再開発が本格的に進められることになりました。
再開発の概要
神宮外苑地区の再開発は、来年度から開始され、2035年完成予定の巨大プロジェクトで、三井不動産、伊藤忠商事、明治神宮、日本スポーツ振興センターの4者によるものです。三井不動産が東京都に環境影響評価調査計画書を提出しました。
※ダイヤモンド・オンライン 「神宮外苑が「高層ビルの森」に、再開発計画の全貌判明で浮かぶ疑問」 より引用
計画によると、神宮球場と神宮第二球場、秩父宮ラグビー場が解体され、新たな野球場やラグビー場が整備されます。秩父宮ラグビー場の跡地に整備される新野球場の本塁側には地下1階、地上15階建てのホテルが併設されます。これによりホテルの部屋から屋内で野球観戦ができる可能性があります。
また、神宮球場と場所を入れ替えて建設される新ラグビー場にはスポーツ博物館や商業施設などが併設され、ラグビー以外も楽しめる施設となる予定です。
対象地区の南端に位置する伊藤忠商事東京本社ビルは、現在の2倍以上の高さとなる約190メートルの超高層ビルに生まれ変わります。野球場の脇にも約185メートルのオフィス・商業ビルが建設される予定で、この地区は高層ビルが立ち並ぶエリアと化します。
国立競技場の建て替えを契機とした今回の再開発は、コロナ収束を見据えて、従来のスポーツ観戦者にとどまらず、国内外から多くの人が訪れるスポーツ拠点を創造することを目標としています。
反対意見も
こうした再開発の動きに対し、反対意見が上がっていることも事実です。
外苑地区は、自然環境を維持するために日本初の風致地区に指定され、文教地区としても落ち着いた環境が長年維持されてきました。
しかし五輪に立候補した2013年、都の地区計画により建物の高さが15メートルから80メートルに引き上げられたことで、開発が本格的に加速し、さらに今回新たに引き上げられ、この地区一帯は大規模に様変わりしようとしています。
昔からこの地区に馴染みを持ってきた人にとって、反対意見が出るのは当然ともいえます。
その他、天皇・皇室と深い関係を持つ宗教法人の明治神宮が、この再開発に参画していることに対する疑問や、高層ビルが建つことによるビル風への懸念など、さまざまな方面から反対の声が少なからず上がっています。
都市の再開発は、神宮外苑地区のみならず新宿や渋谷などの都心をはじめ都内でも活発に行われてきています。しかしその中で、その必要性や問題点を慎重に協議するとともに、市民の方々の声にしっかりと耳を傾け向き合っていく姿勢が求められます。
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