新宿街角コラム
都市部で続く再開発、舞台は新宿へ
1日約380万人、世界一の乗降客数を誇る新宿駅が変貌を遂げようとしています。2020年9月、新宿駅西口の再開発計画が、小田急電鉄と東京メトロにより発表されました。同年7月に東西自由通路が開通したことでも話題となった新宿駅ですが、今後どのように再開発がなされていくのか、解説していきます。
なぜ新宿?
東に行けば繁華街、西に行けばビジネス街、さまざまな顔を持ち多くの人で賑わいを見せる新宿が、なぜ今回再開発の主役となったのでしょうか。
理由の一つに建物の老朽化が挙げられます。
新宿は、1960年に「新宿副都心計画」に基づく都市基盤整備が行われて以来
、約60年間大規模な都市整備が行われておらず、建物の老朽化や、それに伴う都市の魅力やブランド力の低下が指摘されています。
老朽化した建物を再開発することで、「新宿ブランド」の向上を図り、新宿の魅力を次世代へ継承することが期待できます。
もう一つの理由として、新宿が「アジアヘッドクォーター特区」であることも挙げられます。「アジアヘッドクォーター特区」とは、海外企業拠点を東京に集積させるべく、外国企業を誘致するプロジェクト、並びにそれを実施するエリアのことです。
このエリアでは、税制が優遇されたり、補助金がもらえたりするなど、さまざまな面でメリットがあります。
再開発を進め、海外企業や高度な外国人材を呼び込むことで、アジアで低下してきている日本の国際競争力の強化を目指します。
3つの整備指針に基づく再開発
生活の利便性向上、エリアブランドの構築、街づくりの形成を目指し、都内のいたるところで大都市の再開発が行われています。
最近では若者の街 渋谷で、埼京線ホームの移設、渋谷ヒカリエなどの商業施設の建設といった大規模な再開発が行われていることも有名です。
そんな渋谷に続く新宿の再開発では、2019年12月に決定された新宿駅直近地区土地区画整理事業と一体となって、
①「新宿グランドターミナルの実現に向けた基盤整備」
②「国際競争力強化に資する都市機能の導入」
③「防災機能の強化と環境負荷低減」
の三つを整備指針として、再開発に取り組むと発表されました。この指針に基づいて、さまざまな都市開発が進められています。
中でも、新宿の「西」へ再開発の重心が移行してきています。
現在計画されている再開発プロジェクトを紹介します。
高さ260m、新しい西口の顔に
2029年に開業予定の「新宿駅西口地区開発計画」です。
このビルは新宿駅に直結し、地上48階、地下5階建てで、高さ約260m超える新宿エリアで最も高い建物になります。地下には駅や駐車場、中低層階には商業施設、高層階にはオフィスエリアが設けられ、あらゆる機能をもった再開発ビルとして、世界最大級のターミナル駅商業施設となるでしょう。
より便利で魅力的な街に
新宿の再開発に伴い、新宿スバルビルが解体されたり、小田急百貨店新宿店の本館も解体を計画されるなど、馴染みのある建物とお別れの時期が来ます。
少し寂しい気もしますが、再開発によって人と人の交流や移動がよりさかんになり、新宿駅に新たな活力が生まれ、さらに便利で魅力的な街になっていくことでしょう。人に配慮し、人を中心とする再開発プロジェクトで、新宿がどのように変わっていくのか、楽しみです。
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