渋谷街角コラム
西武渋谷店閉店
1.はじめに
渋谷区宇田川町にある老舗デパート「西武渋谷店」が今年の9月末で閉店することになりました。
今回の街角コラムでは西武渋谷店の長い歴史や閉店に至った背景、デパートのフロアについて紹介していきます。
2.渋谷店の概要
この章では西武渋谷店の概要や、閉店に至った背景などについて紹介していきます。
西武渋谷店は1968年の4月19日に旧セゾングループの旗艦店として開業しました。
この年にあった出来事を簡単に紹介すると、テレビアニメ『巨人の星』『ゲゲゲの鬼太郎』やテレビ版『男はつらいよ』の放送が開始されたりや、ボンカレー、カール、少年ジャンプの発売が開始されたりなど現在でも広く愛されている嗜好品が産声をあげた年でもあります。
西武グループの本拠地と言えば池袋であり、当時のグループにとって渋谷に出店するということは大きな転機となりました。
渋谷店の5年後にオープンした渋谷パルコとともにファッション文化を牽引。
コム・デ・ギャルソンやヨウジヤマモトなどのブランドをいち早く紹介して渋谷=若者の街というイメージ形成に一役買いました。
今回の閉店で対象にあたらないモヴィーダ館とロフト館はそれぞれ1986年と1987年にオープン。
86年にオープンしたモヴィーダ館は、オープン当時はシード館と呼ばれていました。
シードとは英語で種を意味しており、ファッション文化の苗床という意味が込められていました。
そしてシード館がファッションをコンセプトにしているのに対して、ロフトは生活雑貨のお店として展開しています。
ロフト誕生とともにリニューアルされた西武渋谷店はピーク時の1990年には967億円の売り上げを叩き出しましたが、近年はA館、B館、パーキング館で20億円の赤字が続いてたとのこと。
これまでそごう・西武は存続する努力を続けてきましたが、西武池袋本店の大幅階層などの大型プロジェクトに目途が立ったこともあり、今回の決断に至ったそうです。
渋谷の老舗百貨店が令和以降に閉店したのは、2023年の東急百貨店本店に続いて二例目であり、渋谷からまた一つ古き良き昭和の時代を象徴する建物が無くなってしまいます。とても寂しいですね。

3.フロア紹介
この章では西武渋谷店に構える店舗を、各館ごとにフロア別で紹介していきます。今回はA館・B館・ロフト館・モヴィーダ館のうち、閉館対象となるA館・B館について取り上げます。
A館
8階のレストラン街「ダイニングプラザ」では、和食から洋食まで幅広いジャンルの飲食店が揃い、訪れる人の多様なニーズに応えてきました。焼肉牛兵衛草庵や回し寿司活、天ぷらつな八、メアリーバーガー、フィッシュ&オイスターバーといった高価格帯の飲食店が並び、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめることから、特に大人層や上質志向の顧客を中心に支持を集めていました。7階には紀伊國屋書店や学生服専門店があり、書籍購入や入学準備といった目的で学生やファミリー層の来店を促していました。特に入学シーズンには需要が高まり、館全体の集客にも寄与していたと考えられます。また、M2階にはコスメサロン、1階にはDIORやCHANELといったラグジュアリーブランドが立ち並び、トレンドに敏感な女性層から高い人気を誇っています。

B館 7階はラルフローレンやマイセン、リーデルといったブランドを中心としたインテリア・ライフスタイルショップが集まり、日常をワンランク上げるアイテムを求める層にとって魅力的なフロアとなっていました。6階にはメンズファッションを中心とした店舗が揃い、ビジネスシーンからカジュアルまで幅広いスタイルに対応。働く男性を中心に、機能性とデザイン性の両方を求めるニーズに応えています。1階にはティファニーやトムフォードといったラグジュアリーブランドが並び、性別問わず多くの顧客に親しまれてきました。特別な日のギフトや自己投資の場としても機能しています。
またA館・B館の両館にはイベントスペースも設けられており、ポップアップストアや企画展を通じて新たな来店動機を創出してきました。直近ではA館2階で「BLACKPINK」のポップアップストアが開催されたほか、4月7日からは「にじさんじ New Life POPUP」が5月10日まで開催されるなど、若年層やファン層の来館を促す取り組みが行われています。
このようにA館B館ではラグジュアリー消費・日常生活・自己投資を支える多様な店舗構成を通じて幅広い顧客層の生活基盤を長年に渡って支えてきました。単なる買い物の場にとどまらず、食事・学び・自己表現といった複数の価値を提供する複合的な空間であったことが西武渋谷店の大きな特徴だったと言えるでしょう。この記事をご覧になった方はぜひ閉店前に足を運んでみてください。

4.おわりに
今回の街角コラムでは9月末に閉店する西武渋谷店について紹介しました。移り変わりが激しい渋谷の中で、長きにわたって文化の創出に貢献した歴史ある施設がいま終焉を迎えようとしています。皆さんもその最後の雄姿を目に焼き付けに足を運ばれてみてはいかがでしょうか。 その他店舗・オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下記のリンクから是非ご覧ください。
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