渋谷街角コラム
渋谷駅再開発最終章
1.はじめに
今回の街角コラムでは渋谷駅の再開発についてご紹介させていただきます。東急、JR東日本、東京メトロが推進する渋谷駅街区計画が最終段階に入るということで、過去の渋谷駅の再開発の内容と今回の最終章と位置づける工事の内容を比較してご紹介させていただきます。
2.渋谷駅再開発最終章
「100年に一度」の大規模開発である渋谷駅街区計画がいよいよ最終章に突入します。2025年の5月、ついに工事がスタートしました。2030年度から2040年度は「まちびらき最終章」として、段階的に設備や施設がオープンします。
2030年度には、渋谷駅や東西南北を地上デッキ階で結ぶ、多層の歩行者ネットワークが誕生します。これにより、渋谷駅とその周辺のアクセス性が飛躍的に向上します。またJR渋谷駅は、改札およびコンコースの整備が概ね完了し、駅の東西を結ぶ、最大幅員20m超という自由通路も整備されます。地上レベルでは、JRハチ公改札前に最大幅22m、JR南改札前に最大幅23mの東西を結ぶ自由通路が整備される予定です。これにより東側の宮益坂方面、西側の道玄坂方面へのアクセス性が向上します。その結果、渋谷駅の課題だった混雑を緩和し、「デッキ上からの渋谷のダイナミックな街並みを楽しみながら」、快適で分かりやすい歩行環境になることを目指していきます。
2031年度には、渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)が完成します。中央棟の10階屋上には各国大使館などと連携したグローバルな文化交流体験を提供する施設が設備される予定です。ここでは、渋谷スクランブル交差点など世界でも有名な景色と新宿方面の街並みの両方を見渡せる「唯一無二の体験ができる空間」を提供するとしています。さらに、2033年度には中央棟4階とハチ公広場をつなぐ歩行者ネットワーク向上のための縦移動空間「アーバン・コア」が完成し、2034年度には渋谷駅直近に5つの広場も誕生します。「ハチ公広場」「東口地上広場」「中央棟4階広場(JR線路上空)(仮称)」「西口3階上空施設(仮称)」「中央棟10階広場(仮称)」の5つで、計約20,000㎡が整備されます。広場は非常時の一時避難場所としての機能も備えています。これらの広場の完成で、計画の全体が完成します。
3.渋谷駅再開発の背景
渋谷駅の再開発が行われている背景には渋谷駅の駅施設と駅ビルが戦後復興期から高度経済成長期にかけて建築されたものが大多数を占めていて、1981年以前の耐震基準改正以前に建設されていることから老朽化が大きな問題になっていたことがあります。
またネットショッピングの普及により渋谷駅の駅施設の中核になっていた東急百貨店本店及び東横店の売り上げが低迷してしまったことも、今回渋谷駅が再開発をしている要因の一つです。
東横店は戦前の1934年11月1日に開業。大阪にある阪急百貨店に倣った関東初の私鉄ターミナルデパートで日本初の名店街である「東横のれん街」やデパ地下ブームにつながる「東急フードショー」などの先進的な売り場づくりで幅広い顧客を獲得してきましたが、2020年3月に閉店しました。
本店は高度経済成長期の1967年に開業し、東横店と同様に渋谷の顔を担っていましたが、こちらも2023年1月に閉店となりました。
激動の時代だった昭和の渋谷を支えてきた東急百貨店。余談ですが1979年に公開された映画「太陽を盗んだ男」でも重要な場面で出てきます。
冴えない中学の理科の先生・城戸誠(演・沢田研二)が原子爆弾を自らの手で製造し、それを武器に日本政府を電話で脅迫する映画「太陽を盗んだ男」。「プロ野球中継を最後まで放映」「ローリング・ストーンズ日本公演」と第一・第二の要求を政府に飲ませることに成功した城戸の第三の要求は「現金五億円」でした。
第三の要求の電話時、城戸の交渉相手である丸の内警察署捜査一課・山下満州男警部(演・菅原文太)は罠をしかけて逆探知に成功するのですが、なんとその場所が渋谷の東急百貨店に設置された赤電話だったのです!!!(なお物語上では渋谷の東急百貨店の設定ですが、実際のロケ地は日本橋店です。)
半世紀にわたって渋谷の顔として君臨していた東急百貨店はフィクションの世界でも活躍していたのです。




4.おわりに
今回の街角コラムでは、渋谷駅周辺の再開発について紹介しました!
再開発の工事が完了するのはまだまだ先ですが、どのような渋谷に生まれ変わるのかとても楽しみですね!!
その他店舗・オフィス選びの際の注意すべき点については、賃貸オフィスコラムにて掲載しておりますので、下記のリンクから是非ご覧ください。
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