新宿街角コラム
外濠に臨む「市ヶ谷」の賃貸オフィス事情
新宿区の東端、千代田区との境界に位置する市ヶ谷。外濠に臨み起伏の多いかつての江戸の姿を随所に見ることができる一方、主要な道路や鉄道が多く集まる交通の要衝となっていることから、外濠を囲むようにオフィスビルが建ち並び、また数多くの大学が建ち並ぶ若者の街として賑わいを見せています。
今回は、市ヶ谷駅周辺のオフィス事情と周辺環境をご紹介します。
アクセス
市ヶ谷駅はJR中央線各駅停車と東京メトロ有楽町線・南北線、都営新宿線が乗り入れる駅です。新宿駅および秋葉原駅・岩本町駅からは都営新宿線またはJR中央線各駅停車で6~8分、池袋駅からは東京メトロ有楽町線で12分、目黒駅からは東京メトロ南北線で18分、東京駅からはJR中央線快速とJR中央線各駅停車を御茶ノ水駅で乗り継いで13分の位置にあります。
隣駅である麴町駅へは電車2分または徒歩10分で、四ツ谷駅および飯田橋駅へは電車2分または徒歩11分で、曙橋駅へは電車2分または徒歩13分、九段下駅へは電車2分または徒歩14分で向かうことができます。
尚、都営新宿線の急行電車は市ヶ谷駅に止まりますが、JR中央線の快速電車は市ヶ谷駅に止まりません。
市ヶ谷の周辺環境
市ヶ谷駅はJRの地上ホームと東京メトロ・都営地下鉄の地下ホームが外濠を挟む形で配置されており、駅前は靖国通りと外堀通りが交わる交通の要衝となっています。外濠を境に西側が新宿区、東側が千代田区となっており、鉄道会社によって駅の所在地が異なる不思議な駅となっています(JR東日本は千代田区五番町、東京メトロは新宿区市谷田町、都営地下鉄は千代田区九段南)。
交通の便の良さから、大通り沿いにオフィスビルやビジネスホテルが建ち並び、大学や専門学校などの教育機関も多くみられる地域となっています。
一方で、市ヶ谷という名前は、いくつかある谷のうちの一つ「一が谷」が転じたという説や、領主の名字が「市谷」だったからという説がありますが、どちらにしてもその名の通り周辺は谷状の地形をしており、外濠を底に坂道が伸びている様子から当時の面影を伺い知ることができます。また、江戸城の外濠がほぼそのままの形で残っていたり、春には桜が咲き乱れる公園があるなど、自然豊かな一面も併せ持っています。
そんな市ヶ谷の見どころを紹介します。
市ヶ谷フィッシュセンター
外濠にかかる橋の下に釣り堀があります。ビル街を望むこの釣り堀を、テレビCMやドラマでも見たことが多いのではないでしょうか。
JR市ヶ谷駅のホームからも見えるこの釣り堀は、市ヶ谷フィッシュセンターです。創業62年の実績があり、釣り堀の他、観賞用の熱帯魚や水草の販売を行っているアクアショップも運営しています。
江戸城のお濠として整備された頃の外濠は、川のように水が谷の上から当時は海だった日比谷方面へ流れていましたが、戦後の瓦礫処理や経済発展に伴い埋め立てが進み、埋め立てされずに残った外濠の北西部分に当たる市ヶ谷濠・新見附濠・牛込濠の3つは、市ヶ谷・飯田橋エリアの景観の象徴になっています。
現在も形を残す外濠を利用したこの釣り堀では、主に鯉を釣ることができます。中には50㎝を超える大物もあり、季節を問わず釣れることも人気となっている理由の1つです。鯉が放流されているため池とは別に金魚の池もあり、子供連れを中心に人気を博しています。釣った鯉はそのままリリースして逃がさなければいけませんが、金魚は30分当たり2匹まで持ち帰ることができます。
世界都市・東京の都心に残る、江戸時代からの面影を保った外濠と、それを利用した昔ながらの鯉釣り・金魚釣りが楽しめる釣り堀。気軽に出かけられる都会のオアシスとして、是非利用してみてはいかがでしょうか。
法政大学 市ヶ谷キャンパス
市ヶ谷駅から外濠沿いに北へ行くと、遠くからでもその学校名を確認できる建物群が見えてきます。法政大学 市ヶ谷キャンパスです。
前身となる東京法学社が専門学校として1880年神田駿河台に創立し、1903年に法政大学に改称した後、千代田区富士見のこの地に最初の校舎が竣工したのが、大学としての法政大学の設立が認可された翌年の1921年、約100年前のことになります。大学設立当初から法学部・経営学部のキャンパスとして使用され、現在では他に文学部・国際文化学部・人間環境学部・キャリアデザイン学部・デザイン工学部・グローバル教養学部のキャンパスにもなっています。
遠くからでも視認できる大学のロゴが入った高層ビルは、2000年に竣工した「ボアソナード・タワー」といいます。法政大学の前身である東京法学社改め「東京法学校」の教頭に就任した、法政大学の祖ボアソナード氏に由来し、その高さは122m。国内の学校法人が所有する高層建築物としてはモード学園のコクーンタワーなどに次ぐ4番目、大学の建物としては工学院大学新宿キャンパスの校舎に次ぐ2番目の高さを誇り、周辺に高層ビルがないことや、外濠によって視界が開けていることから、市ヶ谷エリアでも目立つ高層建造物であるだけでなく、晴れた日には最上階から富士山も望むことができます。
防衛省 市ヶ谷庁舎
市ヶ谷駅の西、急峻な坂の斜面に、木々に覆われた広大な敷地が現れます。ここは、防衛省 市ヶ谷庁舎の敷地になります。
ここにはかつて旧大日本帝国陸軍の士官学校があり、戦時中は大本営の陸軍部に当たる参謀本部も移転してきました。戦後、極東国際軍事裁判に利用された後も自衛隊の駐屯地として用いられ、小説家の三島由紀夫が乱入する事件の起きた地でもあります。
2000年に当時の防衛庁本庁が六本木(現在の東京ミッドタウン)から移転し、2007年に防衛省に改組されて以来、省庁としての防衛省の拠点機能のみならず、陸海空すべての自衛隊の幕僚監部、さらに陸海空を統べる統合幕僚監部も所在し、敷地内にはパトリオットミサイルPAC-3を展開できるよう整備されているなど、日本の国防と首都東京の防衛の中枢としての機能も担っています。
広大な防衛省の敷地内は原則立ち入り禁止ですが、一般向けの見学ツアーが行われており、事前に予約すれば普段見ることのできない防衛省の各施設を見学することができます。
市ヶ谷の賃貸オフィス事情
市ヶ谷駅は複数の鉄道路線・地下鉄線が乗り入れるだけでなく、駅前では外堀通りと靖国通りが交わる交通の要衝となっており、オフィスビルやビジネスホテルが建ち並ぶ他、大学や専門学校などの教育機関も多いことから、交通量・人通りともに多く賑わった町になっています。
江戸城の外濠がほとんど当時のまま残っている他、外濠を谷底に北側・西側に向かって標高が高くなっていくため、急峻な坂道も散見されます。また、かつての陸軍士官学校の場所が現在では防衛省の敷地になっているなど、昔の面影も随所に見られる街になっています。
防衛省がある他、南には麹町警察署、坂を上った北には牛込警察署が存在することから、警備体制が厳しく比較的治安がいいエリアとなっています。一方、外濠の北側・西側には急峻な坂道がある他、細く入り組んだ道や一方通行道路などが多いため、車両の通行の際は注意が必要です。
外堀通り沿いや外濠の内側(市ヶ谷駅の東側・南側の千代田区)には中小のビルが建ち並び、人通りも交通量も多く賑わっていることから、営業拠点としてオフィスを開設するのにおすすめです。一方、坂を上った北側・西側の牛込などのエリアは住宅街になっており、細く入り組んだ道も相まって交通量が少ないことから、大通りほどの喧噪さはなく、静かな場所で個人事務所を開設するのにおすすめです。
賃料は平均して坪単価10,000〜20,000円程度で推移しており、築浅の物件や駅近の物件などは2.5万円前後と比較的高めになっています。
オフィス選びはご相談ください
市ヶ谷周辺の賃貸オフィス事情について、周辺環境を交えながらご紹介しました。複数の鉄道路線が乗り入れる他、外堀通りと靖国通りが交わる交通の要衝で、その周辺には昔の東京の姿を想起させる独特な地形が見られます。外濠沿いにはビルや大学が並び、人通りも交通量も多く賑わっている一方、その周辺は坂を上った台地になっていて、閑静な住宅街が広がっています。
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