新宿街角コラム
「歴史が息づく 江戸川橋駅」
東京地下鉄有楽町線にある江戸川橋駅。
江戸川橋駅は文京区にありますが、川の南側エリアは文京区から新宿区内にはみ出していて、少し離れると新宿区です。
池袋駅まで電車で7分、JR総武線をはじめ、有楽町線・東西線・南北線が乗り入れる飯田橋駅までは2分です。都営バスを使用すれば新宿、御徒町にも乗り換えなしで行くことができる大変便利な立地です。
駅周辺は神田川沿いの低地となっており、川を挟んで北側の右手には小日向の台地、左手には目白台、関口の台地があり、有楽町線はその間の谷を走っています。
谷の突き当りの台地上には護国寺があり、江戸時代にはこの谷部分に今の浅草の仲見世のような参詣客のための店舗が建ち並んでいたそうです。マンションが立ち並ぶ音羽通りの現状からは想像もつきません。
エリア優位性
駅周辺を見回すと、通り沿いのオフィスビルが多数見受けられ都会的な街の印象を受けます。
一歩裏手に入ると表情は一変、江戸川橋地蔵通り商店街はどこか懐かしい雰囲気の昔ながらの商店街です。入り口には、名まえの由来となった子育て地蔵が祭られており、これは明治時代初期、神田川の氾濫でどこかから流れ着いたお地蔵さまを地元の人が祭ったものと言われています。
今も地元の人たちの手で立派な祠に安置されています。当初は地蔵横丁と呼ばれており、確かに道幅の細い通りに個人商店が並ぶ有様には今も横丁という風情が漂います。
精肉店や八百屋、魚屋さんなどの生鮮食料品からスーパー、ドラッグストアなどが軒を連ね、毎日の生活に必要な品が揃います。
おすすめスポット
関口台地の南斜面の神田川沿いには、東西に細長い公園があります。台地の斜面に自生する雑木林と園路を主体とした公園でしたが、昭和59年(1984年)に神田川の拡幅工事に伴い改修されました。
細長い公園なので園路を散策すると、様々な景色がパノラマのように展開します。川沿いには桜並木が連なり、ソメイヨシノを筆頭に、川にせり出して枝を広げる姿がとても華やかです。
桜の名所として知られており、シーズン中はお花見に興じる人々でにぎわいます。
途中で園路が二手に分かれ、重量感のある石が添えられた石の広場や、西洋風の山小屋を模した時計搭のある四阿(あづまや)、藤棚のあるテラスなどがあり、変化に富んだ景観となっています。
テラスの先には石組みの池があり、神田上水取り入れ口に使用されていた大洗堰を復原しています。斜面地には浮き橋状の遊歩道があり、斜面の樹木をいためないようになっています。
深い樹間をつづら折に登ると最上部につながり、早稲田方面を見渡せるようになっています。
地域の歴史
江戸橋駅周辺の観光スポットといえば、内閣総理大臣を務めた鳩山一郎の元邸宅・鳩山会館や、南総里見八犬伝で有名な滝沢馬琴のお墓がある深光寺などがあります。
また、古くから椿が自生する地に山県有明が住み作った景観地・椿山荘も駅から徒歩圏内。紅葉の名所でもあり、秋の紅葉の間から見える三重塔は素晴らしいです。
ホテル3階のレストラン「ル・ジャルダン」のラウンジではアフタヌーンティーを楽しむことができます。この歴史は古く、都内のホテルとして初めてアフタヌーンティーを提供したのが椿山荘と言われています。
東京都内の中でも人気が高く、広大な敷地内にある庭園を眺めながら、日常から離れて優雅なひとときを過ごすことができます。また、夜はバーとして利用することができ、21時まで営業しています。
音羽通りを護国寺方面に歩いたところには今宮神社があります。元々護国寺の境内にありましたが、明治時代に「神仏分離令(神社と寺院をはっきり区別すること)」が政府より発令され、明治6年に現在の地に遷座しました。
毎年9月ごろには今宮例大祭が行われ多くの人で賑わいます。護国寺正面から今宮神社のある目白坂下まで、たくさんの山車やおみこしが練り歩き、それに合わせて多くの催し物が開かれます。
2018年4月19日現在